Subagentsで記事執筆とX投稿を分業してみた
Claude CodeのSubagents機能を使って、記事執筆とX投稿を別々のエージェントに担当させてみた。分業したら何が変わったか、実際にやってみてわかったことを書く。
「1つのAIにぜんぶ頼む」がなんとなく当たり前だと思っていた。
記事を書いてもらって、そのままX(旧Twitter)投稿用の文章も作ってもらう——ひとつの会話の中でぜんぶ処理する。それで十分だと思っていた。
でも、やってみたら微妙にうまくいかない場面があった。
記事を書きながらX文章を作ると、何かがズレる
体験として一番印象的だったのは、「記事を書きながらX投稿も同時に考えてもらうと、どちらも中途半端になる」という感覚だった。
記事はある程度の長さと文脈が必要で、読者に情報を丁寧に届けることが目的になる。でもX投稿は逆で、短く、目を引く言葉を冒頭に置いて、1〜2秒でスクロールを止めてもらうことが目的だ。
この2つは、実は「文章を書く」という行為に見えて、目指している方向がまったく違う。
1つのAIに「記事を書いて、そのままX投稿も作って」と頼むと、記事執筆モードのまま投稿文を書いてしまうのか、どこかぼんやりした文章になることがあった。
Subagentsとは何か
Claude CodeにはSubagents(サブエージェント)という概念がある。
簡単に言うと「別のAIエージェントを呼び出して、特定の仕事を任せる」機能だ。メインのエージェントが司令塔になって、専門的な仕事を別のエージェントに振れる。人間の会社でいうと「社長が指示を出して、各部署の担当者が動く」イメージに近いかもしれない。
Claude Codeでは、Skillsファイルとしてエージェントの振る舞いを定義できる。どういう文体で動くか、何を参照するか、どんなアウトプットを出すか——これをSubagentごとに別に定義できる。
実際にやったこと
.claude/agents/ ディレクトリの下に、役割ごとのエージェント定義を置く構成にした。
.claude/
agents/
editorial-agent.md ← 記事執筆担当
sns-agent.md ← X投稿担当
editorial-agentには「記事執筆のルールに従う、冒頭は体験から始める、断言しすぎない」という指示を持たせた。sns-agentには「140字以内、冒頭に数字か問いを置く、記事の核心だけ抽出する」という別の指示を持たせた。
実際の呼び出しはこんなイメージになる。
# editorial-agentが記事を書く
# → 完成したらsns-agentに渡してX文章を作る
フロー自体はシンプルで、「記事を書く→渡す→X文章を作る」という順序でパイプラインが流れる。
分業させてみて変わったこと
一番わかりやすい変化は、X投稿の文章の質が上がったことだと思う。
記事執筆エージェントが完成した記事を渡した後、sns-agentはその記事を「X向けに翻訳する」仕事だけに集中できる。前提として持つコンテキストが絞られているので、目的に合った言葉が選ばれやすくなる。
同時に、記事執筆のほうも「X向けのことを考えながら書く」という余分な制約がなくなるので、読者に向けてちゃんと丁寧に書けるようになった気がする。
あくまで体感で、厳密に比較したわけではない。ただ、「ひとつのエージェントにぜんぶ担わせる」より「専門家に分けて渡す」ほうが、それぞれのアウトプットが磨かれやすいという感覚は、人間チームの分業とかなり似ていると思う。
うまくいかなかったこと
正直なところ、最初の設定は試行錯誤が必要だった。
エージェント定義の書き方が曖昧だと、Subagentが意図通りに動かないことがある。「何を入力として受け取り、何を出力するか」を明示しておかないと、エージェントがどこから始めればいいかわからなくなる場面があった。
あと、パイプラインが長くなるほど、どのエージェントがどこまでやったかが見えにくくなる。今はまだ2段階(記事→投稿)なので管理できているけど、これが3段・4段になると、デバッグが少し難しくなりそうだと感じている。
「会社組織をAIで作る」と言うと大げさに聞こえるかもしれないけど、やっていることの本質はそれに近いのかもしれない。ひとりで全部やろうとするより、専門家に任せる部分を決めたほうが、全体としていいものができる——そういう感覚が、Subagentsを使い始めてからじわじわ出てきている。
まとめ
- Claude CodeのSubagentsを使うと、役割ごとに別エージェントを定義して分業できる
- 記事執筆とX投稿のように「目的が異なる仕事」は、1エージェントにまとめるより分けたほうがアウトプットの質が上がりやすい
- エージェント定義の精度がそのまま出力の精度になるので、最初の設計に時間をかける価値がある
- まだ試行錯誤中で、パイプラインが複雑になった先は未知数
まだ完成形とは言えない状態だけど、「分業する」という設計の考え方自体は、これから使い続けていくものになりそうだという感触がある。